危険な彼女
「だ、だって………わた、し…
ひどいこ…と、ばっ…かりぃ……」




「………気にすんなって。

そういうのは慣れてっから♪」





そう言って奈津は笑った。

作られたものじゃなくて…
ちゃんと私に微笑んでいる




「だから泣くなよな。

さっきも言ったけど、
俺、女の子の涙ってどうも…





…うん、あれだ。
小学生のときに友達から
『先生に言うから!』って
言われた感じ?」





……………




私はさりげなく、涙をふいた。


そして、呆れた視線を奈津に送る





「例えの意味がわからない…」




「なっ!?
おい、結構わかりやすいだろ!?」




奈津は納得いかないらしく、
真剣な眼差しで私に訴えてきた。


………そんな様子がおかしくて、つい私は…






「………ぷっ、アハハ♪」




「って、おいッ!!
笑ってんじゃねぇ!!!」




「アハハ♪
あんた、やっぱり馬鹿ね」




「誰が馬鹿だッ!!
馬鹿って言うやつが馬鹿なんだよっ!!!」




「………私を馬鹿よばわり?

いい度胸してるわね?」




「え゙っ………」















奈津といると………
ちょっと楽しい………


ううん、ちょっとじゃなくて
素直に楽しい………





………この気持ちは………何?
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