Mr.Kの恋
ふたりでいる口実
そういえば最近図書室に行ってないなとか。しつこくベタベタしてこないとか。奴一色に染まった思考に吐き気がする。
図書室に行ってないのだって、代わりに中庭とか行ってたりするだけで。たまに科学準備室なんてあり得ない所連れていかれるけど。ただ、二人っきりで居る時間が減ったことに寂しさを感じたなんて。ああもう何処で間違えたんだろう。
「更沙ぁー」
「…何」
「相変わらず冷たいなあ。今日はミルクプリンだよ」
にこにこと笑う片山につい白々しく言ってしまった。最近奴は私を下の名前で呼び始めた。それがまた嬉しそうにたるい声で呼ぶものだから、私の意思に関係なく心臓が鳴るのだ。