Mr.Kの恋
「聞かせてほしい?」
「とっても」
「私は、」
直球で想いを伝えられるほど素直じゃないから。せめてこれで片山に伝わればいい。
背伸びした爪先と握ったシャツが、しっかりと片山を捉えていて。間近で見る片山の顔はやっぱり綺麗だった。ツルツルでにきびとは無縁そうな肌とか。羨ましいなちくしょう。
「…伝わった?」
「…大胆だね」
にやりと笑うと、少しびっくりした顔の片山にまた引き寄せられた。そして重なる唇は、酔い痴れそうなくらい甘ったるい。
散々堪能するように私の唇を舐めたり吸ったりしていた片山は、最後に私の唇をぺろりと舐めあげた。そうして唇が離れると、ニヒルな笑み。
「ご馳走様。やっぱ女の子にやられっぱなしは男としてね」
「っ…やっぱり変態よ、片山なんか」
「あはは、知ってる」
にこりと笑った片山に、また抱き締められる。ゆっくりとリズムを打つ心音が、心地よかった。