お菓子のこころ《詩集》
路地裏、野良犬

嘘をつくことに慣れたのか
信じることに不慣れなのか

今日も冷たいアスファルトの上を

薄い財布を握りしめ歩いている


上を見上げれば黒いだけの空と
やたらぎらぎら輝く月


冷たいのかぬるいのか
微かに生活の匂いが滲む風が頬をつねる


渇いた気がして目をとじる


知りすぎた土地で
見知らぬだれかの遠吠えをきいた

< 52 / 64 >

この作品をシェア

pagetop