End of the transmigration of souls■Chapter1■
「ファルクスッッ!」


時は遅し。外へ駆け出すと既にファルクスの回りには反ヴァリーフォージ派が 数名囲っていた。


「マジかよ………」


咄嗟にファルクスから一番近い奴を3人程銃で撃った。


バンバンバン………ッッ!

重く銃は唸りを上げた。


「ファルクスッッ!」
「ママ〜!」


今、自分がどんな状況にいるのか何もわかっていない子供はある意味恐ろしい。
笑顔で駆け寄ってくるのだから。


「ファルクス……ごめん。しっかりつかまってな!」
「???」


ファルクスを片手に抱いてもう片方で奴等を殺る!


「お嬢ちゃん!あの銃さばきは元工作員だな!?」
「それがどうした!」
「いくら工作員でも子供片手にこの人数
相手にできるかな??」
「……そんなのやってみなきゃわからないだろッッ!?」


何人いるの??1…2…3………もしかしたら軽く5人以上はいるかもしれない。
逃げた方がいい?けど伏兵がまだいるかもしれない。


「……仕方ない」


近い奴だけでも一度に始末しよう…………。


「何突っ立ってんだよ!」
「後ろガラ空きだぜ!?」
「………………」


沈黙で敵を引き付けた。
タイミングを間違えれば跡形もないだろう。まさかこんなとこでまた錬金術を使う事になるとは……。


静寂の中 、炎の広がる音だけが 響き渡った。この音を聞いたのはイージスを抹消した時以来だった。工作員でもない今は
こんな事すればただの人殺しだ。


炎が消えればさっきまでいた奴等も姿を消していた。懐かしい不気味な焦げ臭さだけを残して。


「ファルクス………。ごめんね……」
「?」


あんたの母親は……、人殺しだ……。


しばらく歩いてから抱いていたファルクスを下ろした。



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