End of the transmigration of souls■Chapter1■

●Episod 2-1 Daily life●

月影島を出て2年。あたしは世間で『暗黒大陸アルトルーシュカ』と呼ばれてる大陸の中央に位置するロアノークという都市に居た。 ロアノークにはヴァリーフォージの本部がある。



そう。 あたしはヴァリーフォージに在籍している。ヴァリーフォージの紋章科学兵器研究所内
武器製作部に所属している。



ヴァリーフォージはあたしにとって最も憎むべき存在だ。でも果たしてこいつらはすべてにおいて間違っているのだろうか…?ここへ来て、そう思う気持ちが強くなっていく自分がいた。



他の大陸は神の加護を受けているから安心だとか言ってるけど、それはホントなのか……?何が安心なんだ?なら何故各地で戦が絶えない?何故飢饉に苦しむ人がいる?なんの為の信仰だ? お前達は祈って、 願って神の助けを 受けられたのか?奴等がそれに答えてくれたなら世の中はもっと平和だ……。神とやらのせいで世の中は逆に平安を保ててないのではないか…?



そして神は平気でここの人間を殺しに来る…。



「バカバカしい……」
「なんだよ?相変わらず機嫌悪いなー」
「毎日毎日同じことばっかりやってるのがバカバカしいの」
「でもイセルナの剣は一番使いやすいぞ!?」
「あっそう。それは良かった。でもたった1本造るのにもすっごい時間かかるんだからね。簡単に折ったりしないでね」
「俺……何本目?」
「……25本目」



武器製作部に入れられたのはただあたしが 異国の武器を持っていたから。ただそれだけだった。 多少の知識はあったけど、別に武器を造る技術を持っていたわけではない。異国の武器と簡単に言うけれど、 あの剣は相当な逸品らしい。宝剣デュランダル。 異国の騎士団の団長一家に代々伝わる宝剣。 それを研究材料として出せと言われても絶対に出さなかったのは言うまでもない。



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