End of the transmigration of souls■Chapter1■
繁華街は初めてだ。今まで来る理由なんてなかったし。むしろ本部の外に出る機会がなかったと言っても過言ではない。



「オイ。口開いてんぞ」
「あ………」
「繁華街初めてなんだろ?」
「悪かったな………初めてで」
「まぁガキの来るとこでもねーしな。ガキがウロついてちゃ逆にこっちで保護だからな」
「保護だなんて……。そんな正義があったのねあんた逹に。誘拐の間違いじゃなくて?」
「あんた逹って…。今やお前もその1人だろ」
「そーね」



朝がきても 。昼がきても 。決して光が射すことのない場所。ずっとずっと夜のまま。この繁華街のネオンを星だと思ってる人も少なくないと聞いたことがある。 きっとこの大陸には本物を見たことがある人なんて居ないんだろう。



「ここは明るいね」
「そりゃ繁華街だからな」
「明るいけど……やっぱり違うね」
「何が?」
「何でもない」
「お前、月影島に居たんだっけな」
「あんた逹は一体どこ知ってんの?……あたしのこと」
「みんなだいたいはわかってんだろ」
「………そう」
「安心しろ。秘密厳守だ。誰にでも知られたくない事はあるからな。俺らはだいたい…いや、みんな何かしらある。そーいう連中の集まりだ」
「あんたもなんかあるんだ」
「さーな。知りたいか??」
「………別に」
「なんだよつまんねぇー!」
「しゃべりたいわけ?」
「べーつーにー」
「あっそぅ……。で、なんの為にここまで来たわけ?」
「へッッ?なんの為って…偵察」
「それだけッッ!?」
「それだけって…大陸全土の地理をしっかり認識しとくのは一番重要なんですけど…。裏道、地下道、隠し通路全部含めて……」
「……それもそうね」
「まぁ、同時に周辺の警備とか、運が良ければ実戦もあるから気は抜くなよ」
「了解」



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