End of the transmigration of souls■Chapter1■
目覚めてからどれくらい経った頃だろう?
ずっと開けてみたかった扉をそっと開けてみる事にした。
扉の向こうにあるのは別の部屋なのか?
それとも別の世界なのか?



扉を開けるとその先には見た事のある暗い研究室があった。
よくわからない機械とか、ガラスのなかで光る液体がたくさんあった。
目を覚ました時、一番最初に見た風景と
同じだった。
でも、どこを見回してもイージス博士の姿はない。



「おとーさん…いない」



なんとなく思った。
博士に見つかる前に他の所へ行きたい。
行きたいけど別に悪い意味ではなかった。
他の部屋が見てみたかった。
自分の知らないものを見てみたかった。
でもなんとなく博士に見つかったら怒られると思った。


怪しく機械と液体だけが光る研究室。
左手に扉がもう一つ。
手を伸ばした。
開けてみた。
開けると正面にまた扉がもう一つ。
扉までの距離は短かった。
また開けてみた。



「…………ッ!」



最後の扉を開いた先はたくさんの木が
茂った場所だった。
さっきまでの風景とは全く違う。
世界が違った。
そして何よりも明るかった。
後ろを振り返るとさっきまでいた場所は
たいして広くない小屋だったことを初めて知った。
この時はまだ何も知らない。
このたくさんの木々も、頭上に広がる大空も。
初めて見たのだから。



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