恋と幽霊
そう。



この小高い海の見える公園の
慰霊塔の下



男は十数年ぶりに
女の子と再会したのだ。




心の中の重りが無くなって
軽くなっていく。


男にはそう感じられた。





塔の下には
地下へと続く


階段があった。


女の子に連れられ
階段を下りていく男。



そして地下に降り立った男は見た。



薄暗い光の中
男は目を凝らす。





壁一面に刻まれた
人々の名前。



男はそれをものも言わず
じっと眺める。
< 24 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop