耳元で囁いて
ーー1年前。
当時の私は、中学3年生だった。
今は1人でいるが、中学時代は私はいつも、クラスの中心的存在だった。
明るく、楽しくいつも、毎日笑っていた。
そんな中学最後の春に、私は出会った。
私の性格を180度変えた存在に。
その日を私は今も鮮明に覚えている。
私は、珍しく遅刻した。いつもなら予鈴の15分前には登校している。
息を切らしながら、げた箱で靴から上靴へと履き替える。
その後時計を見ると、
8時30分。
ヤバい...完璧遅刻だ。
本当は、遅刻なんてどうでもいいんだけど...実は私は今まで無遅刻無欠席だ。
別に意識して狙った訳ではない。
気づけばそうだっただけの話....だけど、ここできといて記録を止めるわけには行かない、そう思った私は急いでいた。