耳元で囁いて





全力で走る私の目に薄く、色が剥げた扉がはいった。


あと、少しッ!!



私は扉に手をかけて開けた。


「遅れてすみませんでしたぁ!!」


クラスのみんなは、一斉に私を見る。
みんな、ビックリした顔で。


「はぁ、橘...遅刻したのと授業妨害と言うことで点数引いとくな。」


「はっ!?いや、すみませんでした!!って、言っただけじゃんッ!!」

「うるさい。早く、座らないと...お前の通知表が悲惨になるぞ。」


「なっ!?職業乱用だぁー。」


「早くしろ、アホ。」

私はそう言われて、もう返す言葉がみつかなくなり自分の、席へと向かった。


くそ~、覚えてろよ~ケンちゃんめっ!!


私が座るのを確認した担任の斉藤 健次(サイトウ ケンジ)ことケンちゃんは誰かを呼んだ。



ケンちゃんは、この中学じゃ一番若い先生で何気にかっこよかったりする。


それに、授業も面白いから男女共に人気がある。


だからって、ケンちゃん調子にのりすぎたっ。



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