耳元で囁いて
私は軽く藍仔を睨んだ。
「あっそ。...でも、噂でしょ?ホントじゃないかもよ?」
「あんたね...まず、噂であんたの名前が出てきた時点で事実になんのよ!!」
自信満々に言う藍仔。
...どこからその自信がくるんだ。
「なんでアタシが出てきたら、事実になるんだよ。」
すると、藍仔がビックリした顔をした。
「あんたって...意外と鈍感よね。」
「はっ?私が鈍感?どこが?」
「はぁ~...重症ね。」
「なっ!?ちょっ、藍仔!!」
私が、藍仔にどこが鈍感なのか聞こうとした時、チャイムがなった。
「あっ、チャイムがなったねー。私戻らなきゃねー。」
「藍仔!!」
「じゃ、山中君には気をつけてね~♪」
ヒラヒラと振りながら走り去っていく藍仔。
ちっ。
逃げやがったな...藍仔のやつ。
「橘....さん?」
「...ん?」
後ろを振り返ると、色白な好青年がいた。