俺様彼氏と従順彼氏

もう、決めたのお母さん!!コイツなんて知らないわ☆

こうなったら、完全にシカトして食べてやる!


「……」

「……」

二人して無言で食べるため、テーブル内にはカチャカチャと、スプーンやフォークの金属の擦れる音しかしない。

どう考えたってパッと見は、喧嘩したカップルだろう…(または、別れ話を切り出した)

「……」

「……」

こういう時のあたしは、ひどく弱い。
無言という空気に耐えられないのもあるが、せっかく二人でいるのに、話さないともったいない気がするのだ。

景大は普段から物静かな方で、学校ではほとんどと言っていいほど話さない。

話したとしても、たいていは笑顔(はにかみ)つきだ。

だからかもしれないが、みんなに硬派と言われるし、学校では王子様的存在だった。


「……」

「……」

駄目だ…景大の手の動きや口に目がいって、料理を上手く食べれない。


心臓が痛いー…


「………あ」

「?」

「景大……」

「なーに?」



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