現実RPG
そう言うと、竜太は腰に剣を納めた。


その姿を見て、安堵している様子のルカ。拓馬は、ルカの所へ戻った。


「ゴメン。もう、大丈夫だから」


「ううん。疑い深いのは、仕方ないよ」


そう言うと、竜太もルカの元へ行く。


「悪かった」


「ううん。私、ルカ。あなたは?」


「俺は、竜太だ」


「俺、拓馬」


「拓馬に、竜太……変な、名前だね」


「え?」


そう言えば、気づかなかった。俺はともかく、竜太……普通に、日本名だ。


「じゃあご挨拶が済んだところで、出発するか」


竜太は不機嫌そうに言うと、一人でどんどん草原を歩きだした。慌ててそれに続く拓馬とルカ。


「悪ぃな……あいつ、まだ疑ってるみたいだ」


そう言って、ルカに謝る拓馬。


「ううん。仕方ないよ。突然、現れたんだし」


笑顔で言うルカ。その笑顔は、どこかで見たような、懐かしい気がした。
< 124 / 202 >

この作品をシェア

pagetop