現実ＲＰＧ
ガシャ、ガシャ……


通路の中から、音がする。


「こっちもダメか！」


拓馬は階段を駆け上がると、二階へ行った。


階段を上がるとすぐに、また廊下が広がる。


壁には、規則的に扉が並んでいた。


だがこんな何の変哲もない部屋に、アークデーモンがいるはずはない。


拓馬は扉を気にせず、廊下を真っ直ぐに走り抜けた。


突き当たりには扉があり、中を開けると階段があった。


下へも上へも、行ける。


下に行っても、アークデーモンはいない……直感でそう思った拓馬は、上へと進んだ。


階段で一番上まで上ったとき、そこは五階だった。


再び、廊下が広がる。五階の廊下には、窓があった。


そこから見えてしまった景色に、拓馬はギュッと目を瞑る。


竜太が、１０００体にも及びそうな数のモンスターと逃げ回りながら戦っている。


まるで、高校の全校生徒と一人が鬼ごっこをしているようだ……そのモンスターのほとんどは初めて見たが、中には見覚えのある姿もあった。


子猫、ボーン、ボーンナイト、人形兵士、熊、魔導師、戦士……幸い、ソルジャーのような強敵は、そこにはいないようだった。
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表紙・目次

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