現実RPG
あまりの痛みに、今にも失神してしまいそうだ。


口から血を吐き出す拓馬。その衝撃に、拓馬のポケットから一つの玉が転がった。


「あ……」


朦朧とする意識の中、その玉を拾い上げた。最初の町で5000円で買った、光魔法だ。


上を見上げると、すでにガイコツが剣を振り上げているのが微かに見える。


「このヤロー……」


拓馬は、歯を食いしばり、残りの力を振り絞って玉をガイコツ目掛けて投げつけた。


キン!


しかし玉は、ガイコツの剣に弾かれた。


「ダメか……」


再び、拓馬目掛けて剣を振るガイコツ。


諦めたそのとき、弾かれた玉が突然雷のような光を放ち、光はガイコツのろっ骨と片腕を超スピードで貫いた。


「ぐおおおお!」


雄たけびと共に倒れるガイコツ。


玉はヒビ割れ、消えて無くなった。


倒れたガイコツは、ピクリとも動かなくなった。


「やった……のか……」


その光景に、唖然とする拓馬。ゆっくりと起き上がろうとした。
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