現実RPG
再び、身に着けている鎧を見る拓馬。


腹部は見事に割れていて、背中もガタガタにヒビ割れている。


足の鎧も、次の一撃で砕けそうだ。


「この状態で、戦えって言うのかよ……」


拓馬は辺りを見渡し、少しでも鎧を補強できそうな物を探した。


しかし、何も無い。絶望する拓馬。


もう、最初の町で買った謎の玉も無い。薬草も無い。


こんな状態でガイコツに出会えば、間違いなく命は無いだろう。


「どうすんだよ……」


再び、辺りを見渡す拓馬。


ふと、武器屋の店頭に並ぶ鎧に目がいく。ゆっくりと、鎧に近づく拓馬。


「そうだ。パクりゃーいいんじゃねぇか」


笑みを浮かべた拓馬は、鎧を手に取ろうとした。


しかし、よく見ると、それはモデルだった。とても、モンスターの攻撃を防げるような物ではない。


「くそっ」


再び、拓馬は武器屋に入ってキョロキョロと鎧を探す。


しかし、無い。拓馬はカウンターの中に入ると、店主の足元も調べた。


が、やはり無い。買わないと、手に入らないのだ。


「なんでだよ……」
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