虹色の鱗と星明かりの鱗


まだ星明かりが照らす海


その海には魚が泳いでました。


魚は自分が魚で居る事が、
とても幸せでした。


朝方の清々しい空と海

昼間の散々散々と輝く
太陽とのんびり優雅な雲

夜の清らかな空気と
誇らしい月と星


魚は自分が全てを見れる事を
嬉しく思っていました。



魚には恋人が居ました。

魚の恋人は、それは美しく、
まるで虹の様に輝く鱗を
身にまとい、優雅に海を
泳ぐ事が出来ました。


二匹はお互い愛し合い。
二匹はお互い幸せでした。


その晩も二匹は素晴らしい
星明かりの中、幸福な時を
過ごして居ました。


恋人の魚は言いました。
「ずっと一緒に居ようね」

魚は答えました。
「ずっと一緒に居るよ」



二匹が睦まじく泳いでいると、
一匹の海月が近寄って言いました。

「この海の底には、永遠に幸せになれる
洞窟が有るよ」と。

魚が考えて居ると、海月はまた言いました。

「ずっとお互いを必要とするなら、
迷う事はないだろ」
魚達は永遠の洞窟に向かいました。
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