恋愛非常口

美菜子の存在を知ったその夜、
僕はいつもより長風呂していた。

…やっぱり美菜子のことが
気になって仕方なかった。
初めて抱いた感情に
自分でさえ、どうすればいいのか
分からなかった。
ただ彼氏がいるってことだけに
寂しさを感じ、
これからの発展は無いのかな…
なんて考え込んでしまっていた。


ようやく風呂から上がると
俺と2人兄弟の妹、藍が話しかけてきた。

「お兄ちゃん、かけ算言うから合ってるか聞いててっ」

「うん、いいよ」

妹は小学2年生だった。
まだ習わないはずのかけ算を
先に勉強してるみたいだ。

「にいちがに…にさんがろく……」

妹の声も遠くなっていき
僕の頭には、また美菜子がいた。
好きっていうのは
こういう気持ちなのかな…
明日話しかけてみようかな…

「お兄ちゃん合ってた?」

うわっ…聞いてなかったし。

「もう1回言ってみて」

「よし!にいちがに…にさんがろく」


聞き終えたところで
僕は部屋に入った。
そして美菜子への思いよりも
眠気が勝ったんだろう。
いつの間にか僕はベッドの上で
スヤスヤと寝息をたてていた。
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