恋愛非常口

「おいっ、昂史!」

「へ?」

「お前何ぼーっとしてんだよ。教室戻っぞ」

「あ、うん」

ほんと憂鬱だった。
教室に戻ると颯斗は美菜子の元に行き、
仲良さそうに話している。
美菜子の笑顔もいつも以上で…
やっぱ颯斗には
そういう力があんのかな。
見た目とは違う優しさっていうか…

キーンコーンカーンコーン

昼休みも終わり、
これから5時間目。数学。

「はぁい着席して。授業始まるぞ」

若い先生だな。

「よし。みんなまだお互いよく知らんだろ?自己紹介しよっか」

教室がざわめく。
自己紹介?まじ恥ずかしいじゃん…
どうしよ。

「じゃあ1番の浅川から」

11番目か…

「おい昂史」

「なに?颯斗」

「お前うけねらっとけ」

「いやいやいや…無理っしょ!」

「お前ならいけるって!可愛い男の子ナンバーワンからイメチェンしとけ」

「無理だってー」

そう言いながら
実は僕、うけ狙おうかな
って思ってた。
まあこの機会だし…

このうけ狙いが
後々の運命を変えるとは
思うわけもなく
自己紹介は僕の前まできていた。
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