カラカラライフリズム
「……ねえ今、何時?」


光は、呑気に尋ねた。

こいつは、自分の状況が分かっていないのか?


「夜の二時だバーカ。てめぇ、何切ってんだよ」


樋口は、ポケットから消毒液と包帯を取り出した。

そして、近くにあったタオルを適当に引っ手繰って、
光の腕をごしごしと拭い、悲鳴もお構い無しに、
直接消毒液を傷口にかけた。


「……いぎゃ――っ!
沁みる、沁みるって!」


「これが嫌ならもう切るなって毎回言ってんだろ!

学習しろよこのバカ、死にたいのか!」


樋口は、光を怒鳴り付けた。

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