カラカラライフリズム
「どっちにしろ失敗だったのだろうが。
奴等を引き合わせたのは。
……いくらお前が大丈夫だと思ったところで、
『担当対象』を縦一列の部屋に住まわせるのは、強引すぎだ」


樋口は、じろりと睨まれた。

ほとんど八つ当たりに近かったが、
それがあながち八つ当たりでも無いかもしれないとろが微妙な立場だ。


「ところで、一週間後に視察が入る。
執行対象は通称『森主』こと刀根山和幸(とねやまかずゆき)、
例のカルト教団の幹部だ」


「ああ、あの病院でテロをやったやつか。
……『ここの病んだ人間が皆死ねば、
この国から病で苦しむ人間は減る』ってな動機だったか?」


「そうだ。かのヴラド・ツェペシュのようにな」


「……『ヴラド』?」

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