カラカラライフリズム
暗く、外からの電燈のみが差し込む室内は、
気味が悪いほど闇の色を浮き出させていた。

ぱっと見では人形と分からない残骸達は、
ともすれば子供の死体のようにも見える。


そして、その真ん中でふて腐れて溜息を吐く、大きな子供……。


彼女は、CPGとしては絶望的に仕事が出来なかった。

スクール時代の成績で、
記憶力や情報分析能力、空間把握、集中力は過去に職員ですら記録した事の無い数字を叩き出したが、
実技演習ではまったくと言っていいほど力が無かった。

『低い』のではなく、『無い』のである。

だが、彼女自身それを分かっていても、
改善するつもりも無いらしく、
執行方法はいつまで経っても『突き落とし』のままだった。


しかし、一昨年の初めに、晴喜は樋口のふとした思い付きから、
人形を作るようになった。

当初の目的は、カウンセリングだった。

布人形からだった。

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