カラカラライフリズム
3、彼等の白亜紀






誰かを愛さなければ、と思った。
 
誰かに愛されなければ、と思った。
 
動かなくなった恋人を抱きしめながら、

誰か僕を愛して、と呟いた。
 

……もう、この子じゃ駄目なんだ。
 

扉を叩く音が止んで、ドアノブが捻られた時、

部屋に光が差し込んできた。
 
そして、扉を開けた人間の驚愕と恐怖の悲鳴が響いて。
 



それから、僕は……。






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