カラカラライフリズム

集結

 




季節は春が過ぎ、夏になっていた。
 

テロの一件以来、目立った事は何も起こらなかった。


……表に何も出ないまま、決着がついたのか、まだ始まっていないだけなのか。

それすら分からない。


あるいは、『何か』はもう起こっているのか。

……知らない。


一樹は、何もかもから閉ざされた箱の中にいる。


一樹は膝を抱え、胎児のようにまるくなって、目を閉じていた。


硬いベッドの上で、薄い夏掛けにすっぽりと包まる。


日が伸びて、夜でも妙に空が明るいのが気になった。


見ないようにする。


最近は、空調に対する警戒も緩んできている。


熱中症対策だとかで、自由に冷房がかけられるようになった。


彼はそれをありがたく思いながら、遠慮無しに冷房をかけまくった。


一度部屋を訪れた光は、「冷蔵庫か!」と叫んだきり、もう現れない。


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