カラカラライフリズム
だが、倉本は忘れていない。
逃げて、諦めたわけではない。
今はただ、反撃の機会を窺って、爪を研いでいるだけだ。
「……ねえ、佐野は、後悔してないん?」
タオルで顔を拭いながら、部屋に戻って言った。
佐野はカップにお湯を注ぎながら、
「急に何だ、気持ち悪い……」
「だって僕さあ、お尋ね者じゃん?
見付かったら、匿ってくれてる君だって危ないさ」
「今更そんな心配か?」
佐野は、にやりと笑った。
「した事全部が明るみになったら、断然……俺の方が罪が重くなると思うけどな」
「それは頼もしいや」
二人は笑った。
倉本と佐野は、妙に気が合った。
たった二ヶ月前に出会ったばかりなのに、お互いを旧友のように思っていた。