カラカラライフリズム
自分は死刑執行史。

誰に恨まれても、
文句は言えない役柄なのだから。

「さっき、あんたが飲んだ薬……あれが効いてきたら、
どうせ死んじゃうけど…
…私、ナイフも持って来たのよ」

幸枝は、紙袋からやや大振りのナイフを手に取り、かざした。

……サバイバルナイフだ。

「んー…重たい」

彼女はナイフを両手で持ち替えると、
急にしゃがみ込んで、
ナイフをぴたっと一樹の目に向けた。
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