カラカラライフリズム
しかし残虐性の強い囚人の場合、
万が一記憶が戻りでもしたら、
という事が危惧され、先に問題となっていた、
いじめや少年犯罪の解決策がこれになった。


一部には、

「少年犯罪の措置というのは建前で、
彼等は単に実験体にされたのではないか」

という意見もある。

だが、世間の目が犯罪に対して、
特に批判的に向いていたその時代に、
加害者達の為の同情の声は、
実のところあまり挙がらなかった。


現在、その制度は廃止されたが、
少年達の記憶は、いつまで経っても戻らなかった。
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