サルビア
涼はレイナの所に行ったので、エリと2人になった。

「朝日、ごめんなぁ、1人にして」

「いいで…」

そしてあたしから聞くまでもなく、エリはさっきまでの事を話し出した。

涼にすごく心配された事。

すごく怒られた事。

もう絶対しいひんって、指切りした事。

「あたしまた泣いてもうたわぁ…」


あたしは黙って聞いていた。

エリは涼の前では、涙を見せられるんやね。

「まぁ涼とは、付き合い長いしな!ばれてもうたわ!」と言って、笑うエリ。

確かにあたしよりも、涼とエリの付き合いの方が長い。

でもそれは、どんな付き合い?

キスはしてるの?

エッチは?

あたしの頭の中は、そんな事でいっぱいだった。

最後に、「そっか…良かったな」とだけ言った。

上手く笑えてたか、自分でも分からない。


そして、そんなあたしに追い打ちをかけるように、「そんでな、今日悪いねんけど、先帰ってて?」と、エリは申し訳なさそうに、でも少しだけ嬉しそうに言った。

それが何を意味するのかは、すぐに分かった。

涼と………




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