危険中毒
キムの用意した車に
モニカと二人乗り込む。


「どこいくの?」

彼女が放心状態で問う。

「アジト替えだ。
いつまでも、
アソコにいちゃマズイだろ。
今、戻りゃあ、
キムの身もあぶねーしな。

それよりも、
周りに注意しておけ。」

「わかってるわよ。」

モニカは言って、
周囲を確認しはじめる。



『とりあえず、
奪還成功だな。しかし、
上手く言ったもんだな。
旦那も。』

キムの安堵の声がした。


「ああ。まだ、売買契約を
締結してなかったんだ。
幸が重なった。」

『当面、大人しく
してるこったな。』

「ああ。そのつもりだ。」

『誰か来る。じゃあな。』

キムとの交信を終える。

傍受を嫌い、
一旦、回線が
切断された。


「さて・・・。
暫く、二人きりだ。
モニカ。」

彼女のほうを見る。

「大体、繋がってるけど、
話してもらうわよ。
マックス。」

マックス・・・ね


恋人だと、思わない。

その意志表示か。

苦笑する。


リディアの意識で居た方が
素直だったじゃないか。




 
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