危険中毒
彼女は、誰に教わったのか、
ああ、俺が教えたんだな。

恋人としての時間は、
俺をジニーと呼ぶが、
それ以外の時間は、
マックスと呼ぶ。


俺を、仕事上の
パートナーだと思ってるという
意志表示なんだろう。


俺が、そうさせたんだから


それでも構わない。


今後、コイツを、
手元に置いておければ。



だけど


今は


今だけは、望むままに、
モニカを抱きたい。


彼女を浄化するために。

俺との空白の時間に
モニカを抱いたオトコの、
一緒にいたであろう
野郎共の痕跡を、
心は諦めても、
せめて肉体から位は、
昇華させてしまいたい。



手放してすら愛していた
かつての恋人を、
この腕に、抱きたいと
切望した。



それが
俺のわがままで
あったとしても。


止められなかった。





 
< 117 / 352 >

この作品をシェア

pagetop