危険中毒
そこに居たのは

全身、粉末消火設備の薬剤と
放水、格闘で、ドロドロになり
極限まで張り詰めた
モニカだった。


彼女は

この時、


正気は
あったのだろうか?



異常な空間に
身を置き続ければ、
人間は


早かれ遅かれ


どこか

壊れるのだろうか。



モニカは
あの時、俺を
見ていたのだろうか?


革のジャンバーを脱ぎ、
その内側の裏地で、
顔と髪を拭い、
銃口を天井に向け
迷う事なくぶっ放す。


その眼に

狂気を感じた。



消火剤が、機械を、
ところ構わず傷めていく。

リディアの知識だろうか?

モニカのモノだろうか?

彼女は、迷う事なく
なにかを意図的に
壊そうとしていた。


マシンガンを機材の主に足元や
点検口辺りを狙い
ぶちこんでいく。


連射される金属の摩擦光に、
キレたモニカの姿が
浮かびあがる。


原型を留めぬ、
オブジェと化した
それを蹴りあげる。

『リディア。
聞こえるか?』


俺には、もはや
目線すら送らぬ彼女に
よびかける。



 
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