危険中毒
『消火水槽と貯水槽から
水をぬいて!』

無線から、モニカの
ヒステリックな叫びが
聞こえた。

一体、何を思い付いた?


『ダクトはどこ?』

モニカの震えた声が聞こえ、
そちらを振り返る。

独り言なのか?

『あった・・・』


そうつぶやいて、
彼女は、天井を見上げ、
なにかを考えるように
立ち止まっていた。

「お前、一体、
何を探してるんだ?」

スプリンクラの散水で
鈍る視界を避ける様に、
目元を拭い、そう、背後から
声をかければ、

「ジューン(医師)の脳よ。」

至って真剣な表情で
彼女はいう。


脳って・・・


「アイツは、直接
監視カメラを動かしていた。

だったら、
配線の近くにいるはずだ。」

普通で考えれば
ありえない思考。

やっぱ、

どこか飛んでるのは
リディアの知識か・・・?


単に、発想が柔軟なのか。


「・・・見てくる。」

彼女は言って、
点検口を覆う鉄格子を
撃ち落とす。

「あなたは、先に戻って。」


 


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