危険中毒
『バラ・・・した・・?』


『殺ったのよ。

あんた、ヤリながら、
他のオンナの話、
すんじゃないわよ。

躾の行き届かないガキねぇ』


それを


俺をくわえ、
腰をふりながら
オマエが
言う台詞か・・・?


くだらねぇ・・・


マウントをとったのは
快楽とか
愛憎のためではなかった。

勘違いして
よがり狂う
バカオンナを


ブッ殺すためだった。


このオンナの
言うことがホントなら


こんな奴
やっちまっても
私に罪を被す奴はいない。


その、
実証を得るためだった。


そのために殺した。



結果は
予測通り、いや、
それ以上だった。

私は、無実どころか、
アイツは自殺とされた。

厄介モノが消えて
清々したといった所か?

当然、私は、
戸籍を失う事になったが。


いや・・・


もっと剥奪されたな。


代償とはいえ、
なんのためだったのか

己の身分の保証のためか?
経歴のためか?



なんのために


わたしの


記憶まで、うばった?




 

< 227 / 352 >

この作品をシェア

pagetop