びいだま

講堂の中から、校長先生の少し張り上げたマイクの音が漏れ聞こえる。



見上げると、青い青い空が広がって、私たちはしばらくじっ、とそれをながめた。



「・・・・なんか、切ないね・・・・」


「・・・うん」



大きくうーん、と伸びをしてコマキが話し始めた。


「私ね。この前、別れよう、ってやっと言えたよ」


「え?」



驚いて、横を見ると、コマキは遠くのグラウンドを見つめたまま淡々と言葉を続ける。



「言う前は、すごいぐちゃぐちゃ考えちゃってさ。どうしようか、って・・・・でも、別れる、って言葉に出しちゃったら、すごい楽になった」



コマキ・・・・。



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