二人で一人〜永遠に
「…眼が見えないって大変な事だ!…だからこの先の事を考えて、少し訓練しないか?」

「訓練?…」

「あぁ!毎日一人で家に居る事は体に良くないだろ?少しずつで構わないから外に慣れないと」

「外に…」

「あぁ!外にだ!」

「でも私怖い…」

「怖い怖いばっかりじゃ、これから先ずっと外に出れないだろ!?」

「…でも!」

「平気だ!…千冬の為に助っ人を呼んでるんだ!」


「助っ人?…」

「あぁ!千冬の事を見てくれる人だ、ただ…」


「ただ?…」

「その人は…喋る事が出来ない…」

「えっ?」

「喋る事が出来なくても千冬の身の回りの事は、ちゃんと出来ると思うから…」


「ちょっと待って!…喋る事ができなくて、どうやって私の身の回りや会話をするのよ?」

「………」

浩介は黙ったまま返事をしなかった。

「…ごめん…今回の話しは無かっ…」

「会ってくれ!」

「えっ?」

「会うだけ会ってくれないか!?さっきから廊下で待たせてる!」

「待たせているって!?…」

〔ポンッ!〕

浩介は私の肩を叩いた。


「呼んでくる!」

「ちょっ!…」

浩介は一方的だった。

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