この空の下
渉太から聞かされる
数々の真実に
あたしは涙を流した。
この勝負を受けたのも
さっきの愁の発言も、
あたしを思っての
ことだったんだ。
自分だって
たくさん悩んでた
はずなのに、
それよりもあたしを
優先してくれたんだ。
きっとこれは愁の中での
ひとつのけじめなんだ。
この勝負によって、
自分が今まで無理して
続けてきた野球の価値を
見いだそうとしてるんだ。
ハッと愁を見ると、
肩で息をしながら
心臓を抑えていた。
あたしは反射的に
下のマウンドへ降りた。