究極のメソード
さとみは渡辺の前に座り
微動だにしない。


目線は前を向き
一言も発さず


さとみは渡辺の前に座る。


その雰囲気に少し
圧倒される渡辺。


たおやかな仕草の
一つ一つに気品が感じられる。


渡辺はそう思った。


しかし圧倒されているだけでは
何も始まらない。


渡辺はインタビューする前に
必ず心がけることがある。


それは
笑顔で話しかけること。


ぎこちない笑顔を
精一杯作った渡辺は


部屋の静寂を破るべく
さとみに話しかける。



「渡辺といいます。よろしく」


渡辺が挨拶をすると
初めて笑顔を見せるさとみ。


実は美人と接するのが
あまり得意でない渡辺。


さとみの笑顔を見た瞬間
また圧倒されかける。


しかし気を取り直した
渡辺はさっそく質問していく。



「じゃあさとみさんの普段の
生活など教えてくれませんか?」



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