fated
先生が教室に入ってきたとき、運命の扉が開いた…そんな気がした。

あまりにも綺麗な顔立ちに、クラスの女子は騒ぎだした。




チョークで名前を書く長い指は軽やかな音を立てている。

ふぅ…と小さなため息をついて話し始めた。



「今日からこのクラスの担任になった桐原拓斗、24歳。担当教科は国語だ。俺もまだわからない事だらけだが、みんなと楽しくやっていきたいと思ってる。よろしくな!」


その顔立ちからは想像できないくらいの爽やかな挨拶。


拍手と歓声が教室に広がり、少しホッとする先生。


なんか…意外だ。




「おい莉世…イケメン教師とかつまんなくね?!おっさんの方が絶対うけたのにさ…」

「どっちでもいいって。」


苦笑いの私に、悠はどこか不満そうだった。



< 9 / 13 >

この作品をシェア

pagetop