あなたが私にできる事
私の机の上に置かれているプリントに目をやる。
「エリザベス、まだ決まってないの?」
「私は就職。これは美紀の。」
彼女は7回目のため息を吐いていた。
「恭ちゃんはどうするの?」
「俺は地元の大学。推薦貰えたから。」
山口くんはどうするのだろう。
毎日会っているのに肝心なことは何も聞けていない。
「みっきー。早く決めないとやばくない?」
「わかってるよぉ。どうしていいのかわかんないんだもん。もう一人で考える!」
美紀はプリプリしながら教室を出て行ってしまった。
「これが原因かね~?」
美紀の後姿を眺めながら恭ちゃんが呟く。
「あぁ。確かに最近おかしかったよね。あの子。
だけど…。それだけじゃない気もする。」
「さすが友達。」
「ううん。ただの女の感。」
美紀にはきっとまだ何かある。