あなたが私にできる事



それから1時間くらい広い庭を捜索したけどカメ吉は見つからなかった。



「ちょっと休憩しようか。」



山口くんと縁側に腰掛ける。



家の中からは相変わらず人の気配は伝わってこない。



「ところでさ…、」



部屋からお茶を取って来てくれた山口くんが気まずそうに私を見る。



「どうしたの?その服。全身黒いんだけど。」



服だけではない。靴もバックも真っ黒だった。




「お墓参り…、行ってたの。」



「え?」



「今日はお父さんの命日なんだ。お父さんって言っても血の繋がりは無かったんだけどね。」



「嫌い…だったの?お父さんのこと。」





あぁ、どうしてこの人は





「うん。大嫌いだった。誰よりも。」





すぐに私の気持ちを見透かす。










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