神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
そこで困り果てた午頭天皇は、蘇民という村人の家を訪れた…。
そこでは質素ながらにも蘇民に暖かくもてなされ、一夜を過ごす事が出来たのだった。


その二つの経験により午頭天皇は怒りを覚え、傲慢な貴族に疫病や災厄を与えるため疫病神となった。

逆に蘇民には、今後一族の繁栄を誓ったという。


そして天禄元年(970)祇園御霊会…後の祇園祭の始まりとなる。


町衆の子供から選ばれた稚児が神の使いとして、その期間のみ官位を戴き、御霊を鎮める。


その時配られる「ちまき」には札が貼られており、「蘇民将来之子孫也」と書かれている。
それを厄払いの札として飾るのだった。


これが京都祇園祭の成り立ちと言われているが、今の人々の中に深く知る者は余りおらず、京都最大のイベントとして、祭りを楽しんでいるのがほとんどであった。
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