神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
「よーし、いくぞ!1.2.にゃっ!」


     スカッ


月読が振りかぶった手を水に入れようとした瞬間、後ろから襟を掴まれて目標に届かなくなった。


「なに悪さしようとしてんだよ。これは食い物じゃないぞ!」


「にゃんだ!邪魔するな小僧!いいところだったのに!」


「はいはい、怒らないの。よーしよしよし。」


「や、やめい!喉の下をくすぐるな!やぁ…あぅ、あ…にゃ〜ゴロゴロ。」


必死な抵抗も虚しく、透にいいように扱われて月読はおとなしくなった。


「あんたやるわね…。」

喉をくすぐられて喜ぶ月読の顔を見て、忍は透に感動した。
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