神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
「これは…先程説明があった雪女の仕業ですね?僕の自己紹介は後回しにして、まずは彼を救いましょう。」


幹矢は透に向かって言った後、氷に左手をついた。
右手で法印を組むと、霊圧を上げた!


「降魔調伏」


幹矢の体に炎が包み込むと、氷に当てていた手の方へと炎が流れ込んだ!


シュゥゥゥゥゥウウ


庭一杯に広がる水蒸気に視界が覆われた!

蒸し暑い、湿度の高い空気が流れる中、白い霧をかきわけるように幹矢が出てきた。


「ぷっはぁ〜蒸し暑いねえ!」


幹矢はしっとりと貼り付いた前髪を掻き上げながら言った。そして、その肩にはぐったりとした沙綺が担がれていた。
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