神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
「にゃにゃ、にゃんでもないぞ!仲間の様子をだな…あれだ…。」


「まぁまぁ焦る必要はないよ、命に別状は無いんだしね!…それよりも僕に何か言う事があるんじゃないかなぁ?」


幹矢は振り返って月読の方へ歩いて行きながら腰に手を当てた。


「境内の掃き掃除を頼んでたら居なくなってるなんて、心配するじゃないか。
オマモリサマも寂しがってたぞ?いつもならすぐに帰ってくるのに二週間も何やってたんだ?」


ズイズイと顔を近づけてくる幹矢のプレッシャーに負けて、月読は縮こまった。


「済まぬ幹矢…色々あってだにゃ。」


幹矢は体を戻すと、溜息をついた。

そして月読の頭を撫でながら笑顔で言った。


「まぁ無事ならいいんだ、無事なら!事が終わったらちゃんと帰ってくるんだぞ?
ただでも巫女の人手が足りないんだ、猫の手も借りたいほどな!なっはっはっは!」
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