神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
(誰だ…?もう俺にはどうしようもない…やれる事はやったさ…。奴には勝てなかった。)


透は口を微かに動かすのみで、声にはならないまま心の中で言った。


『勝てねえだと?それはテメーが弱いだけだろうが悔しくねーのかヘタレ野郎』


透にしか聞こえない声の主は、瀕死な彼にお構いなしで罵詈雑言を叩き付けた。


(悔しいさ…俺だって生きたい。奴を倒したいさ。)


『だったら立てよ折角居心地良く寝てる所を起こされたんだ、坊主がやらねーなら俺様がやってやる』


(立てって言われても…あちこち折れてて無理だ…。)


声の主の無茶苦茶な注文に、透は遠のきそうな意識をつなぎ止めながら答えた。


『根性無しが坊主はそこで見てやがれ久々に暴れてやるぜがっはっはっは』


声の主はそう叫ぶと、透の意識を奥に押し込み、自分が代わりに表へと出てきた!
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