神楽幻想奇話〜鵺の巻〜
ドク…ドクン…ドクン…ドクン



(うるさいな…静かにしてくれ…眠たいんだ。)


透は意識が混濁してボヤケた視界の中、自分の心臓の音だけがはっきりと聞こえていた。


もう指一本動かすことすら出来ない。
骨もあちこち砕けている。
そんな状態で彼の命も尽きようとしていたのだ。


ドクン…ドクン…ドクン…


(俺はこのまま死ぬのか?爺様達に…逢えるかな…?)


ドクン………ド……クン…


(皆…ごめん…ごめん…)


もう視界は真っ白になり、心臓の音すら聞こえなくなってきた。

透はこれが死なのだと諦めて目を閉じた…。



その時だった。やけにはっきりと誰かの声が聞こえてきた。


『坊主、勝手にくたばろうとしてんじゃねーぞテメーに死なれちゃ困るんだよ』
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