この空の彼方



***



そわそわと着物を摘んだり、身体を揺する灯世を見て、丈は呆れたように言った。



「灯世様、いい加減に八重様を信用なさって下さい。
あの方は腕を認められて屋敷に呼ばれたのですよ。」



わかってはいる。



わかっているけれど、心配なものは心配だ。



向こうの術者と戦うことになった時、八重が怪我をしたり、最悪命を落とすかもしれないのだ。



八重は今、山城の屋敷で破られた結界を直しに行っている。



灯世も一緒に行くと言ったが、駄目だと部屋に押し込められたのだ。



自分の目で八重を見ていられないというのは、不安をより一層煽った。



それに、守護者の仕事は祈祷だけではなく、魔物を使うなどと聞かされた後なら尚更だ。



「私も行きたい。」


「駄目です。
未熟者が行っても足手まといなだけです。」



淡々と言い放たれ、灯世は顔を歪ませた。



未熟者は痛い。



確かに自分は力もないし経験も積んでいない。





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