この空の彼方
「で、誰だ?」
高望みでも笑わなないぞ、と政隆は芦多を覗き込んだ。
「…どうせ高望みだから言わない。」
「言えよ。
ここまで焦らして言わないなんて。」
別に焦らしたつもりはないけど…。
「灯世。」
「は?
ひ…よ?」
「辰之助様に仕えている守護者の灯世。」
それはまた、と政隆は言葉を切った。
「高望みだろ?」
「というか、辰之助様が手放さんだろうな。」
ふぅむ、と顎をなで、政隆は言った。
「いっそ、このまま娶ってしまわれるのではなかろうか。」
娶る。
芦多の頭の中で言葉が反響した。
「しかし、他の貴族との諍いが起きるかもしれないぞ?」
「御国を護るためだといえば、誰も口出しは出来んさ。
子どもがまた能力者なら、向かうところ敵なしだしな。」
「身篭っている間は城の護りが手薄になるだろう?」
「八重様を呼び戻すなりなんなりするさ。」
まあ、そんなに深読みするな、と政隆は笑った。
考えさせたのはいったい誰だ。
高望みでも笑わなないぞ、と政隆は芦多を覗き込んだ。
「…どうせ高望みだから言わない。」
「言えよ。
ここまで焦らして言わないなんて。」
別に焦らしたつもりはないけど…。
「灯世。」
「は?
ひ…よ?」
「辰之助様に仕えている守護者の灯世。」
それはまた、と政隆は言葉を切った。
「高望みだろ?」
「というか、辰之助様が手放さんだろうな。」
ふぅむ、と顎をなで、政隆は言った。
「いっそ、このまま娶ってしまわれるのではなかろうか。」
娶る。
芦多の頭の中で言葉が反響した。
「しかし、他の貴族との諍いが起きるかもしれないぞ?」
「御国を護るためだといえば、誰も口出しは出来んさ。
子どもがまた能力者なら、向かうところ敵なしだしな。」
「身篭っている間は城の護りが手薄になるだろう?」
「八重様を呼び戻すなりなんなりするさ。」
まあ、そんなに深読みするな、と政隆は笑った。
考えさせたのはいったい誰だ。