君の心

閉じた世界

昨日のもやもやとした気持ちとは裏腹に、とても清々しい朝を迎えた。



「おはよう、2人とも。私、行きたいところがあるの。どうせ行き先なんて、決まってないんでしょ?」



確かに行き先など考えていなかった。



村から出たことがなかった2人にとって、土地勘などあるわけもなく、ダンテに辿り着くだけでもやっとの事であった。



「その場所に行けば、何か分かるのか?」



寄り道などしている暇はなかった。



リリーが生きている保証すらない。



ただ、もう一度会えることを願って、焦燥感にかられていた。
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